マーケティングの必要性について

前半部分はマーケティングについての解説。後半は著者の体験を通じてのキャリア形成について。

マーケティングについてはP&G、USJでの取り組みの経験を交えながら、顧客価値創造。WHO、WHAT、HOWの関連についての記述。

WHOは誰に。どのような属性を持った人を顧客として対処とするか。

WHATはターゲットとなるWHOに感じてもらう価値の本質への掘り下げについて。

HOWはWHATを実現するための具体的な取り組み、仕組み。

キャリアアップについてはマーケターという職能の適性や、終業後の心構えなど。

シャンプーを使わない、テーマパークに興味が持てない自分としては、顧客価値を創造するといっても、それは不要で過剰な商品を売るための方便でしかないようにも感じる。

それが人間社会の文化を形成する一部であることには違いはないと思うが、それでも自分にとって価値のないものを売りつけられるのは困る。

マーケティングの必要性は、仕事の上では感じるけれども、仕事として割り切って行うことに意味があるのかどうか。

顧客の幸福感を実現することがマーケターの仕事だというのが著者の主張らしいが、それは仕組まれた幸福の幸福ではないのか。そのような疑問がよぎる。

人にとっての価値というのはもともと存在しているもので、新しく想像されるものではなくて、発見されるもの。

数学の定理に似て、それまで気づかれていなかった存在が発見されるもので、人が恣意的に作り出せるものではない。

P&GのシャンプーやUSJのアトラクションに価値があるのではない。

健康に生きることや、家族や仲間との親密な交流による幸福こそが価値だとすると、シャンプーやハロウィンイベントが価値の本質ではない。

幸福は与えられた仕掛けによって得られるのではなく、自らが追い求めて獲得するものではないのか。

ここまで考えてきて、現代社会、資本主義社会、市場経済社会での商品の交換過程に思い当たる。

労働を通じて人は価値を提供し、その対価として貨幣を獲得する。獲得した貨幣を自らの幸福のためのHOWに消費する。HOWを通じてWHATを獲得する。こういう交換過程が成立するのかも知れない。

しかしそのHOWが人為的で商品交換に包摂されているところが資本主義社会で人間活動が阻害されているという考えは飛躍のし過ぎか。

マーケティングという行為にまつわる疑心暗鬼が拭いきれない。

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